ノーベルバールは静注用のフェノバルビタールです。
痙攣重責に対する投与量は15~20mg/kgです。
たとえば、体重が50kgだとすると、初回投与量は、
15~20mg/kg×50kg = 750~1000mg = 3~4バイアル
3~4バイアルをそれぞれ5mlの生理食塩水で溶解する。
それを50mlもしくは100mlの点滴溶液で希釈し10分以上かけて点滴投与する。
以下のノーベルバール資料を参考にしてください。
皮下・筋注製剤との比較
| 製品名 | ノーベルバール静注用250mg | フェノバール注射液100mg | 
| 剤形 |  バイアル
(白色の塊又は粉末・凍結乾燥注射剤) |  アンプル | 
| 成分、含量 | 1バイアル中、
フェノバルビタールナトリウム274mg | 1アンプル(1mL)中、
フェノバルビタール100mg | 
| 添加物 | 一切含有していない
(フェノバルビタールとして250mg) | ・クロロブタノール
・グリセリンジエチルエーテル | 
| pH | 9.2~10.2 | 7.8~8.8 | 
| 浸透圧比 | 2.5~2.6 | 約19 | 
| 投与経路 | 静脈内 | 皮下または筋肉内 | 
| 最高血中濃度
到達時間 | 該当しない | 4~6hr | 
ノーベルバールの投与方法
【1.新生児けいれん】
|  | 初回投与量(20mg/kg) | 維持投与量(2.5~5mg/kg) | 
| 体重 | 1kg | 2kg | 3kg | 1kg | 2kg | 3kg | 
| 投与量 | 0.4mL | 0.8mL | 1.2mL | 0.05mL | 0.1mL | 0.15mL | 
*:臨床試験においては投与量の倍量をとり、2ccに希釈してその半分(1cc分)を直接手押しにて投与した。場合によりインフュージョンポンプを用いることも考慮する。
【2. てんかん重積状態】 15~20mg/kg (体重は50kgと仮定)
初回投与: 15~20mg/kg×50kg=750~1000mg=3~4バイアル
 	- 3~4バイアルをそれぞれ5ccの生理食塩水、注射用蒸留水で溶解する。
- それを50ccもしくは100ccの点滴溶液で希釈し、10分以上を掛けて点滴投与する。
維持投与:
投与量は規定されていないが、
投与する場合には新生児けいれんの維持投与量(2.5~5mg/kg)を参考にする。
* 50kg×2.5~5mg/kg=125~250mg(0.5~1本)
 
1バイアル(250mg)を5mLの生理食塩水、もしくは注射用蒸留水に溶解する。濃度は、50mg/mLとなる。
用法・用量例:てんかん重積状態
 
より安全に投与するために①(てんかん重積状態)
ノーベルバールの調整
 	- ノーベルバール静注用250mg1バイアルに、5mLの注射用水又は生理食塩液を加え、軽く振って溶解する。
溶解後は、速やか(6時間以内)に使用する。
- 50mg/mLの濃度となるので、体重に応じて必要量を採取し、必要に応じて生理食塩液などで希釈する。
投与前に確認すること
 	- 家族が同伴している場合は、既往歴などを確認する。
- 血圧、脈拍数および呼吸数などのバイタルサインを確認する。
- 緊急蘇生ができる状態であることを確認する。
投与中に注意すること
 	- 10分以上かけて、ゆっくりと静注する。
また、100mg/分を超えないように投与時間を調節する。
- 常時、バイタルサインを観察する。
- 急激に呼吸数、心拍数が下がった場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
投与終了後に注意すること
 	- フェノバルビタールの血中濃度半減期は60~100時間程度であることから、
投与後も継続したバイタルサインのチェックを行う。