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第二選択薬(ホスフェニトイン or フェニトイン)

フェニトインはこれまで静脈投与可能な唯一の抗てんかん薬として重宝されてきましたが、重篤な不整脈(とくに除脈性が多い)や、組織壊死といった副作用が懸念材料でした。しかしホスフェニトインはこれらの副作用の可能性を低減するため、現在はフェニトインに代わって第一選択薬となりました。

ホストインの特徴は以下の通りです。大切なことは、1回目の投与(初期投与)から2回目の投与(維持投与)までは少なくとも12時間以上あける必要があるということに注意が必要です。

ホストインの特徴

ホストインの特徴
メリット ・アレビアチンより組織障害が少ない
・各種輸液で希釈して用いることができる
デメリット ・薬価が高い
・冷所保存
・投与方法が複雑
注意事項 ・維持投与は、初回投与から12〜24時間あけて行う。
・衰弱の著しい患者、高齢者、心疾患、肝障害又は腎障害のある患者等では、
 通常の投与速度よりも、より緩徐に投与する。

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ホストインの投与量の速見表

ホストインの投与量は計算が難しいので、下記の速見表を参考にしてください。てんかんに対する投与量に加えて、下段には頭部外傷や脳外科手術による症候性てんかんに対する投与量も付記しておきます。

てんかん重積状態

ホストイン静注750mg(10mL)初期投与 (22.5mg/kg)

体重(kg)ホストイン採取量生食を加えたTOTAL量注入時間
10kg 3mL 50mL 390mL/hr
20kg 6mL
30kg 9mL
40kg 12mL
50kg 15mL
60kg 18mL 240mL/hr
70kg 21mL
80kg 24mL

ホストイン静注750mg(10mL)維持投与 (7.5mg/kg)

体重(kg)ホストイン採取量生食を加えたTOTAL量注入時間
10kg 1mL 50mL 390mL/hr
20kg 2mL
30kg 3mL
40kg 4mL
50kg 5mL
60kg 6mL
70kg 7mL
80kg 8mL 360mL/hr

* 生理食塩液、5%ブドウ糖注射液、ラクテック注、ヴィーンF注、  ビカーボン輸液、ソリタT3号輸液、KN3号輸液に希釈可能

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脳外科手術

ホストイン静注750mg(10mL)初期投与 (15mg/kg)

体重(kg)ホストイン採取量生食を加えたTOTAL量注入時間
10kg 2mL 50mL 180mL/hr
20kg 4mL
30kg 6mL
40kg 8mL
50kg 10mL
60kg 12mL
70kg 14mL
80kg 16mL

ホストイン静注750mg(10mL)維持投与 (7.5mg/kg)

体重(kg)ホストイン採取量生食を加えたTOTAL量注入時間
10kg 1mL 50mL 390mL/hr
20kg 2mL
30kg 3mL
40kg 4mL
50kg 5mL
60kg 6mL
70kg 7mL
80kg 8mL 360mL/hr

* 生理食塩液、5%ブドウ糖注射液、ラクテック注、ヴィーンF注、  ビカーボン輸液、ソリタT3号輸液、KN3号輸液に希釈可能

公開日: カテゴリ: ポケットガイド
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