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三環系抗うつ薬中毒に対するメイロン療法

炭酸水素ナトリウム(メイロン)は、QRS間隔が100msec以上の場合や心室性不整脈を認める場合や低血圧を認める場合に推奨されている。しかしその根拠となるのは動物実感の結果と臨床的な経験であり、今後ヒトに対する無作為前向き試験が待たれる。

TCAが心電図異常をきたすメカニズムはTCA分子による心筋細胞膜のナトリウムチャンネルブロックだと推測されているが、メイロンを投与することによりそのブロックが解除される。メイロンを投与するとpHの上昇と細胞外液ナトリウム濃度の上昇が認められるが、pHが上昇することによりTCA分子が血清蛋白と結合し、結果血清のフリーTCAが減少しそのブロック機能を果たせなくなる。細胞外液ナトリウム濃度の上昇は細胞膜の電気的勾配を亢進させTCAによるチャンネルブロックと対抗する。

推奨されるメイロンの初期投与量は1~2meq/kgのボーラス投与で、その間心電図モニターを行い、不整脈の改善、QRS間隔の狭小化、AVRのR波の減高などを確認する。臨床徴候が残存するときは、追加のボーラス投与を行う。メイロン投与中のpHは7.50~7.55を目標とする。QRSが狭小化しても他の所見が残っている場合は、時間40 mEq程度のスピードで持続投与を続ける。心電図異常が完全に改善したら、メイロンはテーパリングする。メイロン過剰投与の弊害としては、高ナトリウム血症、代謝性アルカローシスなどである。

公開日:2013年3月15日  カテゴリ: ポケットガイド, 中毒・毒物
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