インフルエンザ桿菌 | アンピシリン (ABPC) | アンピシリン・スルバクタム (ABPC/SBT) | セフォタキシム(CTX) |
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βラクタマーゼ非産生 アンピシリン感受性 (BLNAS) | ○ | ○ | ○ |
βラクタマーゼ産生 アンピシリン耐性 (BLPAR) | × | ○ | ○ |
βラクタマーゼ非産生 アンピシリン耐性 (BLNAR) | × | × | ○ |
βラクタマーゼ産生 アモキシシリン・クラブラン酸耐性 (BLPACR) | × | × | ○ |
インフルエンザ桿菌は耐性機序により大まかに4種類に分類される。もともとインフルエンザ桿菌にはアンピシリンが有効であった(BLNAS)。しかし、抗菌薬の普及とともに、βラクタマーゼを産生しアンピシリンへの耐性を獲得した(BLPAR)。BLPARにはラクタマーゼ阻害薬との配合剤であるアンピシリン・スルバクタム等が有効である。さらに、βラクタマーゼを産生せず、ペニシリン結合タンパクそのものが変異した耐性株が出現した(BLNAR)。これはアンピシリンはもとより、第二代セフェム系薬にも耐性であり、セフォタキシムなどの第三代セフェム系薬が有効である。また、βラクタマーゼを産生するにもかかわらず、βラクタマーゼ阻害薬のクラブラン酸が効かない耐性株も存在する(BLPCR)。
- BLNAS(β-lactamase negative ampicillin sensitive)
- BLPAR(β-lactamase positive ampicillin resistance)
- BLNAR(β-lactamase negative ampicillin resistance)
- BLPACR(β-lactamase positive ampicillin-clavulanate resistant)
参考文献:
藤本卓司 感染症レジデントマニュアル 医学書院
青木眞一 レジデントのための感染症診療マニュアル 医学書院