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ごあいさつ

八王子市 唯一の三次救急医療施設として

当院は「地域密着性」の高い、郊外の大規模救急医療施設の要素があり、大きく分けて3つの使命があると考えています。

救命救急センター外観1つめは、八王子市で唯一の救命救急センター(3次救急医療施設)としての使命です。当院は、近隣の同規模施設までの距離が遠いという立地上の条件から、緊急性が高い救急車の受け入れニーズには、たとえ「ベッド満床」や「処置中」という状況でも極力応えていく必要があると考えています。

2つめは、「市民病院型」としての使命です。地域の市民ニーズは『困ったときに診てくれる病院』であり、3次救急施設でありながら1次・2次の軽症救急症例を受け入れる必要があるということです。本来、当院は大学付属病院ですから、高度な専門性を要する疾患や、重症度の高い症例のみの紹介受け入れに特化してもよいのですが、しかし地域に根ざした医療施設である以上、この「市民病院型」へのニーズにはできるだけ応えていくべきと考えます。

「地域間における医療連携の輪」の構築を目指す

勤務風景しかしながら、当院の医療資源(人員、ベット数)にも物理的な限界があり、当然、これら課題に過剰に取り組むことは、診療内容の質の低下や人員負担を招き、医療者の疲弊が増大し、結果的には、質の高い医療サービスの継続を困難なものにしてしまうという懸念があります。

したがって、こういった現実的な問題に対して、当院のみで解決しようとするのではなく、この八王子地域全体で医療ニーズを請け負う、と言うような「地域間における医療連携の輪」の構築が何よりも重要となってきます。

例えば、一人の患者さんの状態を超急性期、急性期、慢性期などのフェイズに分担し、得意分野の異なる地域の各病院がそのフェイズ毎の担当病院となる。このような効率的な病院間の連携こそが「地域完結型医療体制」を実現する上で欠くことの出来ないものと考えます。そしてそのための取り組みを、以前から力を入れて進めてきました。

そして、これらの取り組みを、当院が地域医療のリーダーとして主導的に構築、維持しながら「地域完結型医療体制」を実現させ、ゆくゆくは地域住民や近隣医療施設に『更なる利益をもたらす』ことこそが、当院の義務であり、3つめの使命と考えています。

院内専門各課との連携

屋上ヘリポートにてまた、このような病院間の連携だけでなく病内の専門各課との連携も救命救急センターとしては大事な役割です。というのも、重症患者さんの多くは専門性の高い処置を要することが多く、

例えば、心臓カテーテル治療であれば『循環器内科』、お腹の緊急手術であれば『消化器外科』、脳卒中の外科は『脳神経外科』、大動脈解離などの心血管病変は『心臓血管外科』、肝損傷や骨盤骨折というような血管内治療を要する場合は『放射線科』、骨の骨折は『整形外科』、難易度の高い内視鏡治療やERCPは『消化器内科』、といった、専門的処置を必要とする患者さんが非常に多くいます。

現在のところ、こういった院内連携は非常にスムーズで、それは我々の姿勢だけではなく、院内各科の柔軟な協力体制に基づいて実現しています。

また、病院間の連携を行う際に患者さんの立場に立って医療福祉やその先の安定した医療を受けるため、何が必要かを考える、『M.S.W.  メディカル・ソーシャル・ワーカー』の存在も我々、救命救急センターの業務には欠かせません。

こういった、「専門家」の存在が我々の仕事を支えています。前述した通り、「救命救急センターの使命」を果たすためには「地域連携」とこの「院内の各専門科との連携」が、いずれも非常に重要だと考えています。

救命救急センター長 弦切純也

東京医科大学八王子医療センター
救命救急センター長 弦切純也

◎専門分野
救急医療、集中治療、脳神経外科、脳血管障害、脳卒中、
Interventional Radiology

◎専門医資格等
医学博士
日本救急医学会救急科専門医・指導医、日本脳神経血管内治療学会指導医、
日本脳神経外科学会専門医、日本集中治療医学会専門医、
日本脳卒中学会専門医・指導医、厚生労働省臨床研修指導医

◎所属学会
日本救急医学会、日本脳神経外科学会、日本脳神経血管内治療学会、
日本集中治療医学会、日本脳卒中学会、日本プライマリケア連合学会、日本IVR学会

公開日:2012年4月3日